発達障害、特にASD傾向が強い方は興味関心の偏りが強いといわれます。
興味のある物事には高い集中力を発揮しますが、それ以外は知ろうとすらしない場合も…。
社会生活を送る上で、「興味のないことが出来ない・関心を持てない」のはとても苦しいことだと思います。
今回の記事では、そんな発達さんが興味の幅を広げられる方法の一つを紹介します。
これはASD傾向のある友人から教わった方法です。
友人は多趣味で行動力があり、そんなことまで知ってるの!?という情報通。
定型発達の方でも、興味関心を持ちにくい悩みの参考になるかもしれません。
発達障害の人は興味・関心が偏りがち
主にASDに見られる特性ですが、ADHDでもASD傾向があれば同じ状態が起こります。
次のような困りごとにつながる特性です。
- 興味のないことに集中できない
- 必要なことなのに関心を持てない
- 興味のあることは過集中して周りが見えなくなる
- 別の行動にすぐ移れない
- 知識が狭く深い
- 逆に知らないことも多い
- 幅広い話題の飛び交う雑談が苦手
この特性は自分の意思や投薬ではコントロールしにくい部分です。
当人は興味を持てない事を性格のせいだと考えてしまい、苦しい気持ちになる場合もあります。
興味の幅を広げる「つまみ食い戦法」
そんな発達さんに紹介するのが「つまみ食い戦法」です。
ASDだけど好奇心旺盛な友人
この戦法を教えてくれた私の友人(オタク)は、驚くほど様々な物事に興味関心を持っています。
- 多趣味(絵・ゲーム・カラオケ・旅行・語学etc…)
- トレンドの音楽やファッションはだいたい知っている
- 仕事や趣味の勉強をよくしている
- 毎年始まるアニメは一通り見ている
- 新しいゲームなども必ずプレイしている
- 人から聞いた映画や漫画もすぐに見る
これをフルタイムで働きながら限られた時間でしているのです。
いったいどうしたらそんなに沢山のことに興味を持てるのか?
私は何かコツがあるのか聞いてみたのでした。
まずは10分だけ、1話だけ、動画1本だけ!
友人いわく、新しい物事に取り組む際は「続けようとしない」「長時間しない」「上達を目指さない」「好きになろうとしない」ことを心がけるそうです。
私と同じ感想を持った方もいると思いますが、ここが最大のポイント。
人は何かを始める時、無意識に「続ける」「まとまった時間やる」「上達を目指す」「好きにならなければ」と思ってしまいます。
これが負担となり心にブレーキをかけ、最初の一歩がなんだか億劫…となるのです。
「つまみ食い戦法」はこれらの意識を捨てることで、取り組むハードルを限りなく低くする方法です。
趣味の分野で
アニメは1話だけ見てみる
少し前なら「3話まで見て面白いか判断」が一般的でした。
今は1話目で観客に面白さを伝え、見続けてもらうよう引き込む構成が主流なんだそう。
そのため、初回が面白くなかったら見なくて良いと判断するとのこと。
つかみは見ているので、話題に出た時は「見たことはある」「今度続き見るよ〜」と話には入れるんだそうです。
ゲームは体験版だけやってみる
いきなり本編を購入すると「時間がある時に始めよう」「クリアしなければ」という負担が生まれ、積みゲーとなる可能性が高いとのこと。
体験版ではゲームの見せ場を一通り体験できるので、それだけでも一つの経験になるそうです。
音楽は垂れ流す
SpotifyやApple Musicなどのサブスクサービスを使っているそうです。
これらのサービスでは流行の音楽が自動でまとめられていて、今こんなトレンドがあるんだ!と一目で分かります。
自分で調べたり音楽番組を見るなどの時間がかからない、おすすめの方法とのこと。
勉強の分野で
本は10分だけ読んでみる
積読になっている本の最初の一歩をスタートするのに良い方法とのことです。
本を読む時は「まとまった時間を取ろう」と思いがちですが、それでは先延ばしにつながります。
10分だけなら1日のどこかで出来そうですよね。
勉強は関連動画を1本だけ見てみる
しっかりした教本を買って読み始めるより、ハードルが下がって取り組みやすくなるとのこと。
ご飯を食べながら流し見することが多いそうです。
気になった時に3分だけ調べてみる
調べ直さずそのままの物も多いけれど、一度「調べる」行動を取った物事はうっすら頭に残ってくれるんだそうです。
この繰り返しで、詳しくはないが知っているという物事が増やせるとのこと。
つまみ食いで「きっかけ」を作っておく事が大事
以上が友人のしているやり方でした。
どの方法も本当にちょっとやってみるだけです。
いきなり長時間続けたりせず、あくまでも「きっかけ」を作るという意識が大事なポイント。
きっかけを残しておくことで、何かのタイミングでハマれる可能性があります。
それに加えて、何も触れずに迷っている時より、作業興奮が起こって脳が継続的な興味を持ってくれることもあります。
まとめ
- 「続けようとしない」
- 「長時間しない」
- 「上達を目指さない」
- 「好きになろうとしない」
- 本当にちょっとだけやってみる
- きっかけ作りと考える
発達障害に限らず、大人になると興味関心の幅が狭まっていくことは自然なことです。
この方法を使わなくてもある日突然ビビっと来ることだってあります。
今悩んでいる方がこの記事を参考にして、少しでも楽しく興味のあるものに出会えたら幸いです。