一般的な防災食品でイメージするものは、水で戻せるお米・乾パン・缶詰食品などです。
これらは健康な人はそのまま食べられますが、歯に問題があったり、歯科矯正中の人にとってはどうでしょうか?
少し硬すぎるんじゃないか?食べにくいかもしれない…と予想できますよね。
この記事は、上記の疑問を感じた私が歯科矯正中でも食べられる非常食を調べてまとめたものです。
- 矯正中でも食べやすい備蓄食品が知りたい
- 緊急時に矯正トラブルを起こさない食品が知りたい
- 日頃から役立つローリングストック品を知りたい
このような疑問にお答えしています。
日頃の防災の参考になれば幸いです。
歯科矯正中におすすめな非常食
歯科矯正中は、歯の表面や顎に金属のワイヤー(装置)がついている状態です。
矯正期間は食事内容に制限がかけられ、装置を壊したり食べ物の色がつかないように指導されます。
普段から食べるものに困るところ、さらに非常食は健康な歯を基準にしたものが多く、矯正中の食べづらさは考慮されていません。
矯正中でも食べやすい非常食とは
簡単にまとめると、やわらかく噛みやすい食材で、食後の歯磨きが楽なものとなります。
硬いものを食べて装置が外れてしまった場合、災害時はすぐに戻せません。
歯磨きも、少ない水資源でいつものように磨ききるのは大変です。簡単に口をゆすぐ、数回のブラッシングでだいたい綺麗になる食事がベストです。
そのような条件を考えた上で比較的食べやすいもの、矯正中の人は特に備蓄しておいた方が良いものを紹介していきます。
一般の非常食で食べやすいもの
- 長期保存パン
- アルファ米
- 缶詰の肉、果物
長期保存パン
真空パックや缶詰のタイプがあります。どちらも最近のものは柔らかい仕上がりです。
今回実食したのはこちらの「ひだまりパン」。
市販の菓子パンくらいの柔らかさで、ボソボソし過ぎず水がなくても食べられます。チョコ味とノーマル味を食べましたが、どちらも程よい甘さでした。
食後の歯磨きは口を濯ぐ程度でカスが取れるため、被災地での歯磨き水の節約になります。
アルファ米
水で戻す有名なご飯商品。味の種類が豊富なので、飽きないように色々買っておきましょう。
通常より水と浸水時間を多めにし、リゾットやおかゆくらいの柔らかさにして食べると矯正中でも安全。
注意点として、どうしても柔らかくならない芯米が混ざることがあるので、ゆっくり噛みながら食べると装置を壊さず安全です。
急いで食べるとガリッと嫌な音がしたり、装置に米が挟まる感じがありました。
缶詰の肉、果物
缶詰製品は長持ち・味が濃い・柔らかいと備蓄には最適な食品です。
肉も魚も高圧力調理でホロホロに柔らかいため、矯正中でも食べやすい食品。
その他、果物やあんみつといったデザート系の缶詰も用意しておくと、災害時に甘いものが食べられてリラックス効果に繋がります。
矯正中におすすめの非常食
- ハイカロリーゼリー
- ゼリー飲料
- 長期保存スープ
- 井村屋えいようかん
- サプリメント(ビタミン・亜鉛)
- 長期保存野菜ジュース
ここでは歯科矯正中の方が特に備蓄した方が良い商品を紹介します。
ハイカロリーゼリー
元は医療・介護現場で使われている食品です。
食事が難しい方や食欲がない方でも、少量食べることで高カロリーが取れるのが特徴。
プリンやムースのような口当たりで多種多様な味があり、腹持ちがとても良いです。
値段がやや高めなのがデメリットですが、まったく食事ができない矯正初期の頃は備蓄しておいても良いと感じます。
ゼリー飲料
矯正の味方、ゼリー飲料です。
おすすめはウィダーinシリーズ。ビタミンやタンパク質など種類を複数揃えておくことで栄養の偏りを補助できます。
長期保存スープ
昨今は防災食品のクオリティが見直され、毎日食べるスープがそのまま防災食になった商品が多くあります。
固形物が食べづらい矯正中の方にとって便利な食品です。栄養も満点。
ネットでも買いやすく、無印良品など身近なお店でも売られるようになったため、毎日食べながら備蓄するものとしておすすめします。
井村屋えいようかん
防災食のおやつとして有名な「えいようかん」。和菓子好きな方にはおすすめ。
5年と非常に長持ちで高カロリー。コンパクトなので小分けにして持ち出し用非常バックなどにも入れておけます。
口当たりは柔らかい羊羹そのもので、やや矯正装置にくっつきますがゆすげば取れるレベルです。
サプリメント(ビタミン・亜鉛)
矯正中の大きな悩みとして口内炎・歯肉炎の発生があります。
歯磨きがし辛い災害時は特に発生しやすいですが、サプリメントを飲むことである程度の予防が可能です。
ビタミンと亜鉛は粘膜の保護と修復を助ける成分です。医者に罹りにくい被災時を想定して、防災ストックの中に加えておきたい一品。
長期保存野菜ジュース
災害時に一番不足するのが野菜です。
被災地では炭水化物ばかりで野菜がなく、体調不良になる方が多いと聞きます。
備蓄食品でも野菜メインのものは少ないので、ジュースのようにすぐ摂れる形の物を用意しておくのが良いでしょう。
矯正中でも液体なら摂取しやすいですし、飲んだ後口を濯げば虫歯のリスクも回避できます。
避けた方が良い非常食
一方で矯正中は避けておいた方が良い非常食もあります。
代表的な物は下記のものです。
- 乾パン
- ビスケット
- おせんべい
- 乾燥餅
- 和食のおかず缶詰
乾パンやせんべいは硬すぎて装置が外れる原因になりやすいです。
ビスケットは柔らかく感じますが、開封後に固くなっていくためやや注意が必要。
乾燥餅は小さくて腹持ちが良く、非常食として優秀ですが、矯正中は装置にこびりつくためおすすめしません。
すぐに磨けない場合、固着して虫歯につながる可能性も…。
和食系のおかず缶は内容によりますが、フキやごぼう、きのこ類といった繊維質な野菜が含まれていることが多く、装置に挟まり歯磨きが大変になります。
まとめ
矯正中の方は一般の非常食に加え、自身の治療状態に合う備蓄を作っておくのが良いと思われます。
避難所で配給される食事も食べにくいものかもしれません。
その時の補助食になるようなもの、歯の健康を維持できる備蓄を用意できると安心です。
最後にもう一つ大切なことは、備蓄したものは一度食べてみるということです。
「まずかった」「食べにくかった」「調理に時間が掛かる」など体験することで、ぶっつけ本番で失敗することを避けられます。
もし機会があれば、ここまで紹介してみたもので1食過ごしてみてください。今後の防災備蓄作りにも役立つはずです。