AIイラストの見分け方ガイド|絵描きが実例つきで解説するチェック方法
アイキャッチイラスト:saipanda!様
近年AI技術が急速に進化し、SNSでもAIイラストを見る機会が大きく増えました。
以前は一目でAI生成と分かる絵が多かったのですが、現在は完成度が高まり、手描きと見分けるのが難しいケースも少なくありません。
普段は鑑賞するだけでも十分楽しめますが、依頼や取引が絡む場面では「自力で描いた絵かどうか分からない」という声も聞きます。
そこでこの記事では、絵描き目線でまとめたAIイラストの見分け方を紹介します。
AIイラストは現在も世界中で議論が続く分野です。
情報を正しく理解し、トラブルを避けながら活用していただければ幸いです
AIイラストとは?
AIイラストとは、画像生成AIにテキストを入力し、その指示に基づいて出力されたイラストの総称です。
近年の生成技術は大きく進化しており、人が仕上げとしてレタッチを行うケースも増えています。
2025年現在、広く使用されている画像生成AIには次のようなサービスがあります。
- Midjourney
- 写実的でリアルな絵柄が得意で、世界的に利用者が多いサービス
- Stable Diffusion
- 無料で使えるモデルも多く、カスタマイズ性の高さが特徴です
- NovelAI
- PixAI.Art
- Nijijourney
- ChatGPT Sora
- Gemini
- Adobe | Firefly
- 権利的にクリアな素材を多く使っており、商業利用の可能性もあるサービス
- DALL・E 3
日本では特にNovelAIやNijijourneyを使ったアニメ調イラストが多く見られます。
そのため、この記事ではアニメ系AIイラストを中心に「AIイラストの見分け方」を紹介していきます。
AIイラストを見分けるコツ・必須の考え方
近年のAIイラストは非常にクオリティが高く、本業が絵描きの私でも判断が難しい作品が増えています。
そのため、AIイラストかどうかを見分ける際は、一つの特徴だけで判断しないことが大切です。
AIイラストをチェックする場面では、次のポイントを念頭に置いてください。
- 判断はいくつかのポイントを総合して行う
- 同じ作者の作品を複数見る
- 限界まで拡大してチェック
- 直接作者に問い合わせる
判断はいくつかのポイントを総合して行う
AIイラストかどうかは、単独の違和感だけで断定できません。
複数の特徴を組み合わせて総合的に判断することで、より正確に見分けられます。
同じ作者の作品を複数見る
一枚だけを見て判断するのは非常に難しいため、作品一覧があるなら複数を比べてみてください。
画風の安定感や特徴の有無を見ることで、判断材料が増えます。
限界まで拡大してチェック
SNS投稿された絵など、サムネイル段階では一切判別ができません。
必ず画像をクリック、拡大表示し、細部にAIイラストの特徴がないか観察が必要です。
直接作者に問い合わせる
イラストを依頼する場合や金銭の発生する場面では、作者本人に確認するのがもっとも確実な方法です。
トラブルを避けるためにも、不明点は早めに質問することをおすすめします。
AIイラストに見られる具体的な特徴紹介
【Point1】指が多い・少ない
AIイラストを見分けるうえで、もっとも分かりやすい特徴のひとつが「指の本数の異常」です。
ぱっと見は自然でも、よく見ると「指が1本足りない」「逆に1本多い」といった違和感が残ることがあります。

実際の例では、小指だけが欠けていたり、親指とは異なる位置に余分な指が生えているように描かれたりします。
全体の絵柄が整っている場合ほど見落としやすいため、手の形は必ずチェックしてみてください。
こちらも一見何も問題ないように見えますが、こちらは指が多いように見えます。

ただし、指の異常があるからといって、必ずしもAIと断定できるわけではありません。
意図的なデザインや作者の単純な描き間違いの可能性もあるため、絵全体のポーズや左右の手の形も合わせて確認することが大切です。
絵描きはキャラクターの意図や動きを理解しながら手を描くため、本来の形から大きく外れた描写が出てくるのはAI特有の傾向と言えます。
【Point2】目立つ場所に不自然なパーツがある
AIイラストでは全体を見ると自然なのに、顔まわりなどの目立つ部分に不自然なパーツが紛れ込むことがあります。
特にアニメ調のイラストでは、眉・髪・まつ毛・頬の線が混ざり、人工的な“違和感”として現れやすい傾向があります。
たとえば、眉のような影が目の上にもう一つ描かれていたり、頬の位置に髪の枝毛のような線が浮いていたりします。
さらに拡大すると、髪の毛とまつ毛が融合したように見えることもあり、これはAI生成で頻繁に確認される現象です。
2025年の生成AIイラストもこの「まつ毛と髪の融合」は続いており、必ずチェックしたいポイントです
本来なら、顔まわりはもっとも力を入れる部分であり、絵描きは細部の形を丁寧にコントロールします。
そのため、重要なパーツが雑に重なっていたり、形が曖昧だったりする場合は、AI特有の処理ミスを疑うポイントになります。
【Point3】線や形状が溶けて混ざっている
AIイラストでは、一見すると美しい仕上がりでも、パーツの輪郭が溶けるように混ざる現象が起きることがあります。
特に前髪・目・耳まわりのような細かな構造が重なる部分で発生しやすく、拡大するとその違和感がはっきり見えるようになります。
よく見られる例
- 前髪とまつ毛が不自然に融合している
- 耳の形が髪束に溶け込んで境界が曖昧になっている
- 影と線が混ざり、薄い膜がかかったように見える
厚塗り系のイラストでも同様の特徴が確認され、境界線が不明瞭になったり、塗りの流れが突然途切れたりするケースがあります。
これはAIが“それっぽい質感”を再現する過程で起こる誤差であり、手描きではあまり見られない特徴です。
もちろん、画風によっては意図した表現に見える場合もあります。
しかし「絵を描く人ならここは混ざらないように処理するはず」という部分が曖昧なとき、AI生成の可能性が高いと考えられます。
【Point4】一人の作者の画風が多すぎる
SNSやイラスト投稿サイトで作品一覧を見たとき、同じ作者が短期間にまったく異なる画風を大量に投稿している場合、AIイラストを使用している可能性があります。
もちろん、幅広い表現が描ける方もいますが、手描きで複数の画風を安定して維持するのは簡単ではありません。
線の強弱・塗りの質感・顔のバランスなど、絵描きには無意識の癖が残るため、完全に違う画風を量産することは難しいといえます。
そのため、
- 作品ごとに絵柄が大きく違う
- 色の雰囲気や線のクセが毎回変わる
- どれも高クオリティなのに統一感がない
といった特徴が見られた場合、AI生成のイラストが混ざっている可能性があります。
判断の際は、これまで紹介したポイント(指の本数・線の溶け込み・顔まわりの不自然さなど)と組み合わせて確認すると、より精度の高い判別が可能です
【Point5】発表ペースがとても早い
短期間に高クオリティのイラストを大量に投稿している場合も、AIイラストである可能性を示す一つの指標になります。
手描きのイラストは、制作に時間がかかるだけでなく、構図や配色を考える工程も必要で、数日で連続して仕上げるのは難しいためです。
- 毎日のように高品質な絵が投稿されている
- SNS開設直後から大量の作品が一気に並んでいる
といったケースはAI生成の可能性が高まります。
中にはアカウント移行やポートフォリオ再投稿といった事情で、作品をまとめて公開する方もいます。
しかし、その場合は一連の投稿が終わればペースが落ち着くため、長期間にわたり高速で更新が続くときは注意して見てみるとよいでしょう。
【Point6】AI絵・AIイラストと明記がある
AIイラストかどうかを判断するうえで、もっとも確実な材料は作者自身の明記です。
投稿文やタグに「AIイラスト」「AI生成」などの表記がある場合、その作品はAIを使用して作られたものと考えて問題ありません。
一方で、誰が見てもAI生成と分かる絵であるにもかかわらず、何の表記もない場合もあります。
さらにまれですが、手描きと主張することで誤解を招き、閲覧者とのトラブルに発展するケースも報告されています。
制作者に悪意があるかは不明ですが、絵柄が似ている作家の“新作”と誤認されることもあり、誤解を避けるためにも表記は重要です。
生成AIユーザーがやっかまれている理由はここ!何故かタグを付けないことです
判断材料に向かない特徴
かつてはAIイラストを判別する際に役立つとされていた特徴の中には、現在では学習精度の向上により改善され、判断材料として適さなくなったものが多くあります。
以前は違和感として語られていたポイントには、次のようなものがありました。
- 左右の目の形や光の入り方が極端に違う
- 目の中の構造が乱れている、描き込みが崩れている
- 髪型や衣服が左右対称ではない(シンメトリーデザインの場合)
- 文字が読めないほど崩れる
- 身体のバランスが著しく歪んでいる
- 人工物の形状が破綻している
現在でも一部の作品には残っていますが、高品質なAIイラストではほとんど見かけなくなりました。
そのため、これらのポイントだけを手がかりに判別するのは難しく、誤判定に繋がる可能性が高くなっています。
AI技術は日々進化しているため、過去に有効だった判断基準が今後も使えるとは限りません。
常に複数の視点から総合的に見て、より確度の高い見分け方を意識することが重要です。
AIイラスト見極め力をチェックしてみよう
ここまで紹介した見分け方が、実際にどれほど役立つのかを試したい方は、AIイラスト判別を行える外部サイトを利用してみるのもおすすめです。
私自身も何度か挑戦していますが、満点を取れたことはありません。
判別が難しい画像が多く、AIイラストの精度向上を実感できるテスト内容になっています
おわりに
AIイラストは驚くほど進化しており、今後も技術の発展が続くと予想されます。
一方で、手描きとの境界や著作権、制作物の扱いなど、まだ議論が続いている領域でもあります。
絵を描かない方であっても、仕事や依頼の場面でイラストに触れる機会があるなら、この記事で紹介したようなAIイラストの見分け方を参考にしてみてください。
複数のポイントを組み合わせて判断することで、誤解やトラブルを未然に防ぐことができます。
絵描きとしては、AI技術の利点を理解しつつ、手描きの良さも活かせる形で共存できればいいなと考えています
以上が、絵描き目線でまとめた AIイラストの見分け方 でした。
このブログでは他にもAI関連の記事を書いています。
実際使わなくても、知識として情報を持っておくことは今の時代必須です。
















