元ソシャゲ会社勤務者がおすすめする、ガチャ依存や重課金をやめる方法3選

年末年始はソシャゲ(ソーシャルゲーム)のイベントラッシュの時期です。
お年玉やボーナスを限定ガチャに使った方も多いのではないでしょうか。

私もガチャを回し、しっかり爆死した一人です
楽しく節度のある課金なら問題ありません。
しかしSNSでは、「やめたいのにやめられない」「つい課金してしまった…」という悲痛な声も多く見られます。
ここで強く伝えたいのは、
ソシャゲのガチャは「ギャンブル」です。依存性があります。
ということです。
この記事では、運営側にいた筆者が、ガチャ依存や重課金をやめる方法をご紹介します。
筆者経歴
デザイナーとして5年ほど、ソシャゲ運営会社に勤務。
その間、運営がどのようにイベントを企画し、ガチャで収益を上げるかを間近で学びました。
自身も重課金者。

- 最近、課金しすぎているかもと不安
- ガチャ依存を治したい
- 課金額を減らしたい
- 課金を減らす方法がわからない、ヒントが欲しい
このような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
ガチャ依存や重課金をやめる方法3選
ガチャ依存や重課金をやめるためには、次の3つの方法が有効です。
- 知識をつけて理性のブレーキを強くする
- 課金を物理的にできなくする
- 第三者や医療機関を頼る
1. 知識をつけて理性のブレーキを強くする
「課金をやめたい!」と思うだけでは、具体的な対策を取るのは難しいものです。
以下の知識を身につけることで、理性のブレーキが働きやすくなります。
- ソシャゲの課金誘導システムを知る
- ガチャのしくみを知る
- 自分がガチャや課金をしたくなる「きっかけ」を把握する
- どんな時に理性が弱くなるのか、脳のしくみを知る
2. 課金を物理的にできなくする
「気づいたら課金していた…」という人は、課金しやすい環境が原因かもしれません。
課金を思い立ってから実行するまでに障害を作り、冷静になる時間を確保することが効果的です。
例えば、以下の方法がおすすめです。
- クレジットカードの連携を解除する
- 課金はコンビニのプリペイドカードのみ使用する
- ゲームの年齢登録をわざと低く設定する
- 課金総額を見える化する
3. 第三者や医療機関を頼る
課金やガチャ依存が深刻な場合、自力での解決は難しいこともあります。
家族や友人に相談したり、専門機関を頼ることで、早期の改善が期待できます。
理性のブレーキを強くする知識
ここからは、前述した方法をより詳しく解説していきます。
ソシャゲやガチャについての知識を改めて身につけることで、必要なときだけ課金できるようになります。
ソシャゲの課金誘導について知ろう
課金したくなる「きっかけ」が多数仕掛けられている
ソシャゲには、プレイヤーが課金したくなる仕組みが随所に組み込まれています。
例えばこんなシーン…
- 「期間限定」のキャラやアイテム
- あと少し強くなればクリアできる時に登場する有料の強化アイテム
- 課金すれば消せる邪魔な広告
- 時間を短縮できる優待パス
- 課金でおまけアイテムがもらえる仕組み
人は「限定」や「楽な方法」に弱いものです。ソシャゲはこの心理を巧みに利用しています。
運営が課金のプレッシャーをかけることもある
新機能やイベントの追加と同時に、それらを有利に進めるための商品が販売されることが一般的です。
しかし中には、ガチャを引かせるためのイベントを頻繁に開催したり、課金しないと倒せない強敵を設定する運営も存在します。
一度課金するとやめにくい仕組みがある
多くのソシャゲは、課金を続けることで有利になるシステムを採用しています。
- 毎日アイテムがもらえる月間パス
- コレクション要素が強く、集めたアイテムが手放しにくい仕組み

「コンコルド効果」という心理現象も有名です。
「これだけ課金したのだから、今さらやめられない…」という心理が働き、課金を続けてしまうのです
「ガチャ」のしくみを知ろう
ガチャは「おみくじ」と同じ
ガチャはおみくじと同じです。
ガチャの排出率は運営側で決められており、当たりが出るかどうかは完全に運で決まります。
大吉を狙って引ける事はないですよね?
大吉が出るまでおみくじを引き続けることも、現実ではほとんどの人がやりません。
その意識が少しでもあると、「目的の物が引けなかったのは、運が悪かったからだ」と思えるようになり、ガチャ欲が薄まります。

ここで要注意なのが、SNSの当たり報告。
これは、当たった人だけが報告しているため、当選率が高く感じる錯覚です。
自分も当たるかも?と流されないようにして下さい
ガチャの確率操作はあるのか?
「運営がガチャの確率を操作している」という噂がありますが、結論としてはほぼありません。
理由は、ガチャの確率を公表し、それを守る法律(景品表示法)があるためです。

しかし、「ほぼない」と書いたのにはわけがあります。
残念ながら、過去に確率操作を行った企業や、数値の入力ミスが発生した事例もあるため、「100%ない」とは言い切れないのです
全てのガチャを引く必要はない
ガチャにはさまざまな種類があります。
- 恒常ガチャ(常に引けるもの)
- 期間限定ガチャ
- コラボガチャ
- ピックアップガチャ
などです。
「期間限定」や「コラボガチャ」は復刻しないように見えますが、実際には再登場するケースが多いです。
ガチャの説明文をよく読み、「別の機会に復刻する場合がある」と記載されていれば、焦って今課金をして引く必要はありません。

最近の傾向として、ほとんどのガチャは復刻されると考えて良いでしょう。
期間限定販売は運営側にも不便なことが多いからです
自分が課金する「きっかけ」を分析する
あなたの課金タイプは?
ガチャや課金の「きっかけ」を知ることで、対策が立てやすくなります。
筆者が独自に分類した課金タイプは以下の4つです。
- 目的重視タイプ
- 社交タイプ
- 承認欲求タイプ
- 依存タイプ
目的に対して課金するタイプ
- キャラを強くしたい、特定のクエストをクリアしたいなど、明確な目的があるタイプ。
- 目的達成後に課金をやめられる傾向が強い。
社交のために課金するタイプ
- フレンドとの交流や、チームプレイのために課金するタイプ。
- 無理な付き合いで課金している場合は、プレイスタイルや交友関係を見直すのも手。
承認欲求タイプ
- レアアイテムをゲットして自慢したい、ランキング上位に入りたいなど、目立つことが目的のタイプ。
- 競争心が煽られると課金しやすい。
依存タイプ
- 欲しいものがなくてもガチャを回す、当たりの興奮を味わうために課金するタイプ。
- すでに依存症の可能性があるため、専門家に相談することも視野に入れるべき。
人が課金しやすくなる「タイミング」に注意
自分の課金タイプと合わせ、以下のタイミングは、ガチャや課金をしやすくなるとされています。
- 給料日・ボーナス支給後
- 季節イベントの時
- 年末年始
- 疲れているとき
- 睡眠不足のとき
- 空腹のとき
- 夜〜深夜の時間帯
- SNSで他のプレイヤーの成果を見たとき
給料日・ボーナス支給後
大金が手元にあると気が大きくなるのが人間です。
運営もこのタイミングで「お得なガチャ」や「新イベント」を仕掛けてきます。
季節イベント・年末年始
お祭りムードに流されると大きな買い物をしがちです。
ソシャゲもこの時期に大量のイベントやガチャを投入してきます。
疲れている・睡眠不足・空腹の時
判断力が鈍るため、衝動的な課金をしやすくなります。
ガチャや課金に限らず、重要な決め事なども避けた方が良いでしょう。
夜〜深夜の時間帯
この時間帯は人間の自制心が大幅に緩む時間帯だと言われています。
仕事や勉強の疲れ、開放感から、大きな課金をしてしまうケースが多いです。
SNSで他のプレイヤーの成果を見たとき
他人の結果を見て、自分も当たるんじゃないか?と気持ちが揺らいだり、皆が引いているから自分もそうすべきではないか?と思ってしまうことも、きっかけになりやすいです。

上記の中に、あなたの課金の「きっかけ」はあったでしょうか?
まずは自分の行動を認識することが、依存を断つ第一歩です。
見つけた「きっかけ」を避ける工夫をすることで、ガチャや課金の頻度を下げることができます
課金を物理的に出来なくする方法
意志の力に頼らず課金を防ぐ仕組みを作る
人間は意志の力だけで習慣を変えるのが難しいものです。
そこで、思考や意思に関係なく、物理的に課金できなくする工夫が必要になります。
クレジットカード連携を解除する
クレジットカード払いは実際の出費を実感しにくく、気づかないうちに高額課金してしまいがちです。
思い切ってスマホからクレジットカードの連携を解除するのも有効な手段です。
課金はプリペイドカードを使う
クレジットカードを使わない代わりに、課金する際はプリペイドカードを利用しましょう。
コンビニなどで購入する手間が増えることで、衝動的な課金を抑えやすくなります。
また、何度も購入するめんどくささが心理的なブレーキになることもあります。
ゲームの年齢登録を未成年に設定する
ソシャゲには年齢ごとに課金上限を設定できる機能があります。
年齢登録を「未成年」に設定することで、一定額以上の課金がブロックされ、衝動的な課金を防ぐことが可能です。
総課金額を見える化する
家計簿アプリなどを活用し、総課金額を常に確認できるようにすると、「今月はもう控えよう…」という意識が芽生えやすくなります。

これはまさに年末年始近くの、遊びまくってしまった時の図です…
一回ずつの課金ではそこまで危機感を覚えませんが、こうしてまとめられ、突きつけられるとその額の多さに震えます
ガチャ欲がおさまるまでスマホを触れなくするのもアリ
人は強い衝動が起きた時、数分間対象を見ないようにすると気持ちが落ち着くという研究結果があります。
このようなスマホ隔離グッズを使うのも良いかもしれません。
一人では対処できない場合は専門機関を頼る
ガチャ・課金は立派な依存症の一つ
世間では、すでにガチャ・課金依存は治療すべき依存症として認識されています。
「ただゲームを楽しんでいるだけ」と思っていても、脳の働きはギャンブルや薬物依存と類似していると指摘されています。
また、日本以外の国では、ガチャ・課金依存に対して本格的な規制が進んでいるほど、深刻な問題として認識されています。
「自分の意志が弱いだけ」と思い込まず、必要であれば家族や専門機関を頼ることも選択肢に入れましょう。
おわりに
ガチャ依存や重課金をやめるためには、以下の方法が効果的です。
- 知識をつけて理性のブレーキを強くする
- 課金を物理的に出来なくする
- 第三者や医療機関を頼る
ガチャや課金が「無理のない範囲で楽しめなくなった」と感じたら、それは依存症の可能性があります。
趣味としてソシャゲを長く楽しむためにも、この記事がプレイスタイルを見直すきっかけになれば幸いです。