ネットやSNSには毎日ADHDさんのやらかしエピソードが投稿されています。
笑えるものから冷や汗が出そうなことまで、内容は様々。
その方の特性の強さにもよると思いますが、当事者なら「あるある!」と共感できる話も多いですよね。
本日は、お喋りがすぎるADHDあるあるをご紹介します!
みなさんは当てはまる項目ありましたか?
丸をつけてみてくださいね✨#発達障害 #ADHDあるある #ADHD #お喋り #会話泥棒 pic.twitter.com/Vs75i9a4xq— 発達障害カウンセラーかずき@ADHD/ASD (@kazuki_honya) November 30, 2024
そこで、今回の記事では私「むの」のADHDやらかしエピソードをまとめてみました。
- クローズで働ける比較的軽度のADHDでもこんなやらかしをして来ました
- ADHD特性のあるお子様が将来こういうことをするかも?
といった事例の参考になれば幸いです。
幼少期(0〜6歳)のやらかし
幼少期の記憶で一番古いものは幼稚園生だった4、5歳頃のものです。
その記憶と、親族から聞いたやらかしエピソードは以下のようなものでした。
- マイペースに動いてしまう
- 皆で「いただきます」をする前におやつを食べてしまった
- 幼稚園の先生を時々無視して遊び続ける
- 興味を持った玩具やお菓子をいつの間にか掴み、会計を通さず持ってきてしまう
- お友達と行動(動作)を合わせるのが苦手
- 運動会のマーチング(鼓笛隊)で一人だけ向きが逆だったりした
- 運動全般、特に跳び箱や組体操などが苦手
- おしゃべり
- 「口から先に生まれてきた?」と言われる程人に喋っていたそう
障害特性なのか性格なのか判断しづらい時期
定型発達の子どももこんな感じでは?という内容ですが、連絡帳に書かれるくらいには頻発していたため、私は特性の一部が出始めていたのではと思います。
親は「子どもなんてこんなもんでしょ」と気にしていなかったそうですが…。
また、当時は4歳程度の子どもながら「やっちゃった!」「間違った!」という恥の感覚はすでに芽生えていました。
やらかした事を注意された時は、恥ずかしくてどこかに隠れたいような気持ちを抱いたのを今でも覚えています。
小学生時代のやらかし
小学生時代は毎日やらかしのオンパレードでした。
当時(平成初期)はまだ発達障害の概念が広まっておらず、入学時検査も簡単な知能検査のみだったそう(親談)。
支援学級もそこまで整っておらず、健常児と障害児が同じクラスで生活していました。私のクラスにも、恐らく自閉症か知的障害のある子が数人はいました。
知能には特に問題のなかった私は普通学級で6年間を過ごします。
小学生時代のやらかしはこのような感じです。
- 毎日忘れ物や紛失
- 体操着袋を持ち帰り忘れる・持って行くのを忘れる
- プリント類の持ち帰り忘れ・親に出し忘れ
- 教科書・文房具・リコーダーやメロディオン・傘を忘れたり無くす
- 遠足当日に今日遠足だった!ということを親に言う
- 捕まえたカエルを道具箱に入れておいたのを忘れて数日後…💀
- 帰りに遊んだ公園に荷物を全て置いてくる
- 空気を読めない・話し合いが苦手
- 一方的にまくしたてて自分の意見を押し付ける
- 変なこだわりが強い
- 意地を張って謝らない
- 自分は悪くない!と思い込む
- 倫理を欠いた行動を取る
- あえて危ないものを触ろうとする
- 危ない場所に行ったりする
- 興味本位で誰かの物を盗ってしまう
- 興味のないことに集中できない
- 授業中は空想ばかり
- 先生の板書中など手が空くとすぐに落書き遊び
- ぼんやりしていて宿題の範囲など大事な連絡を聞き逃す
- 勉強の計画が立てられない
- 宿題をやり忘れ友達の答えを写させてもらう
- 夏休みの宿題はもちろん最終日に始める(ただ得意な宿題は初日に終わる)
- 結局間に合わず、忘れたふりをして新学期3日目くらいに提出
- 完全に忘れていて2学期に居残りさせられることも
特に酷かった忘れ物
小学生になると時間割を見ながら自分で教科書や授業の道具を用意しますよね。
私は必ず抜け漏れが発生し、親に泣きついて届けてもらう毎日でした。
特に、ランドセルに入らず手持ちになる物の忘れが多かったです。
これではいかん!と危ぶんだ親が心を鬼にして届けない日もありました。
そんな日は、友達から借りた名札の違う体操服を着てからかわれたり、授業に参加させてもらえず、ただ席に座って下を向いていたりと惨めな気持ちを味わいました…。
同年代の同性より未熟な対人能力
対人関係では男子の友人が多く、女子の友人が少なかったです。
おそらく、同年代の女子のように共感性を持って和を大事にするより、自分の意見を押し付けて従わせるような子どもだったからでしょう。
話し合いも苦手で、自分の意見が通らないとすぐ拗ねていたそうです。
グループ学習や共同作業も苦手。何かの発表会で班決めをする時は自分から一人班を選択していたりしました。
倫理を欠いた行動に走る
これは今でも何故そんなことをしたんだ…と思うやらかしです。
悪いことをしている感覚がなく、ただ刺激や好奇心を満たすために行動した結果、危険なこと・窃盗などを起こしていました。
- 「どのくらい熱いのか気になる」→ヤカン、熱湯、火を触る
- 「血が出たらどうなるのか気になる」→包丁で指先を切ってみる、画鋲を手に刺してみる
- 「どのくらいで苦しくなるのか気になる」→寝ている家族の顔にクッションを押し付ける
- 「持って帰ったら家族が喜ぶかも」通学路にある私有地の果樹園で果物を取ってしまう
- 「捕まえて自慢したい」→ヘビを捕まえて学校に持っていってしまう(毒ヘビだったら危険!)
他にも刺激的な遊びを好み、男子に混じって探検ごっこや度胸試しをするなど、一歩違えれば大怪我をする行動を取りがちでした。
集中力と計画性のなさ
授業は大好きな教科以外は気もそぞろで、空想や落書きなどをして過ごしていました。
そのため、急に指名されて答えられず怒られたり、宿題の内容など大事な連絡を聞き漏らしてしまうことも多々ありました。
夏休みの宿題はご想像のとおりです…。
●やらかしの一部は4年生頃から落ち着いていった
ADHD特性全開の私でしたが、対人関係や行動面は4年生頃から改善していきました。
流石にまずい場面が何度かあり、リアルにげんこつを食らったりと痛い目を見て学習できたのだと思います。
6年生の頃にはかなり落ち着き、忘れ物と集中力の低さ以外はほぼ年相応レベルとなりました。
中学生・高校生時代のやらかし
中学〜高校時代のやらかしは似たような話が多いため、まとめてしまおうと思います。
- 相変わらず忘れ物
- 体操服やジャージを忘れる
- プールセットの帽子だけ、ゴーグルだけ忘れる
- 参考書を忘れて他クラスの子に借りまくる(置き勉が出来ない学校だった)
- 遅刻
- 早起きしても準備がギリギリになり走って登校
- 高校は家から近くなった気の緩みでさらにギリギリ
- 高校ではもう開き直って2限目から紛れ込む時も…
- 居眠り
- どんなにしっかり寝ていても午前10時頃に強い眠気でダウンする
- 衝動的な行動+飽きっぽさ
- 気になった、興味があったからと複数の部活を掛け持ち
- しかし練習や文化祭などのスケジュールが噛み合わなくなり結局やめてしまう
- 色々な習い事に手を付けては半端に投げ出す
- 一つのことを完遂できない
- 長期課題ができない
- 自分で全てを決める研究課題などができない
- ただ、定期テストや受験など期間・日付・内容が決まっている物はどんどん取り組める
- 確認ミスが多い
- テスト用紙の裏面の問題を解き忘れる
- 名前の書き忘れで0点
- 答案欄を1個ずらしで書いてしまい赤点
中学〜高校時代は「計画性」「注意力」に関するやらかしが多かったように思います。
小学生の時のようなトラブルがなく通過できたのは、義務教育という枠組みが明確なレールを引いてくれたことが大きいです。
高校も進学校だったので、生徒一人ひとりをサポートする時間が多かったのが幸いしました。課題締め切りのリマインドなど、先生方のサポートも手厚かったです。
大学生時代のやらかし
ADHDにとって最初の関門である「自立」が始まる期間です。
一人暮らしも始めたので、勉強も生活も金銭管理も全て一人でしなければなりません。
さらに、高校はバイト禁止だったため初めて働く経験をしたのもここから。
そしてやはり笑えないやらかしが起こっていきます。
- 遅刻
- 高校よりさらに酷くなり、1限の出席単位がギリギリになる
- 計画が立てられない
- シラバスの組み立てが下手。将来を考えた選択より好奇心で選んでしまう
- (美大だったので作品制作が主な授業)締切から逆算した作業計画がうまく立てられない
- 提出に間に合わせるために徹夜をしてなんとか半端なものを提出するの繰り返し
- 卒業制作もギリギリ進行になり、精神的不調になりながらなんとか提出。不完全燃焼で卒業
- 自分のことで精一杯。グループ制作やサークル活動に積極的に参加できない
- 予定通りに動けない
- バイトで時間内に必要な業務が完了出来ずに怒られる
- 段取り下手で作業も遅いため、怠けていると思った先輩に給料泥棒だ!と詰められる
- バイトで複数の対応が重なるとパニックで固まってしまうか、大きなミスをする
- 予定していた歯科や美容院の予約に間に合わずキャンセル料金を取られてしまう
- 確認ミス・うっかりミス
- 完成間際の課題データを全削除
- バイトの両替金を制服ポケットに入れたのを忘れ、ロッカーに吊るしたまま退勤。窃盗騒ぎになりかける
- お客様の注文を間違え別の商品を仕入れてしまう
- 商品を過剰発注し店長に怒られること数回
- 就活の書類を送るのがギリギリになり、バイク便で会社に直に送る無礼を起こす
- 運転免許を取ったが
- マルチタスクが出来ずパニックになり、交差点への合流や駐車で教官を大慌てさせる
- 結局ペーパードライバーとなる
大学時代はお金に関係したり、社会的信用が問われるやらかしが増えました。
当然、強い危機感を抱いた私はこの頃から自己啓発本やビジネス書を読み漁り、改善に励むようになります。
まだ自分が発達障害とは思いもしなかった頃です。
新社会人〜ADHD診断までのやらかし
気づかない障害による困難を感じながらもなんとか卒業、就職した社会人時代。
より責任の重い場面でのやらかしや、何をやっても改善できない自分への自己嫌悪によりメンタルを病んでいきます。
- 遅刻
- 目覚ましアラームを止めて二度寝し、上司からの電話で起きる
- 準備が間に合わず会議に遅れて参加する
- 予定忘れ
- 仕事に集中しすぎて会議を忘れてしまう
- 会議があるのを忘れてランチに出かけてしまう
- 商談相手が来るのを忘れて30分放置してしまう
- 複数タスクが重なると他のタスクを忘れてしまう事が起きる
- 家賃を払い忘れる
- クレカの引き落としを忘れ一時利用制限がかかる
- 計画性のなさ
- トラブルを想定した計画を作れない。何か起こるとギリギリか締切を過ぎてしまう
- 長期の勉強会グループ代表を任されるがまとめられず、会が離散
- 仕事の段取りが下手でスピードが遅い
- 日々の仕事でいっぱいになり私生活の用事が片付けられない
- 確認ミス
- データを間違えチームの仕事を数時間止めてしまう
- バグを発生させ、その対処にチーム全体を巻き込んでしまう
- 確認リストを作って何度も何度も指差し確認をしてもミスが発生する
- 衝動性や依存
- ゲームに負けたイライラでスマホを割ってしまう
- ガチャを引きたくてソシャゲに100万円近く課金してしまう
- 無意識に指の皮を剥き続けてしまう
- 空き時間のSNSが止められない
- 怠惰
- 会議中や仕事中に居眠り
- 買ってきた食材を使わずに腐らせる
- お風呂が面倒で外出予定のない時は2,3日入らない
社会人になってからは「マルチタスク」「計画性」「注意力」に関する面で一気にやらかしが増えました。
- 複数タスクを並行して行う
- 他人と歩調を合わせて行動する
- 常に注意力を維持してミスを防ぐ
このような企業で働く上で必要不可欠な能力がADHDは低いのだと痛感しました。
社会人6年目頃、ついにADHDと診断
この頃は発達障害の概念がだいぶ世に広まり、多くの情報が出ていました。
自分もとうとう障害に該当するのではないかと思い至り、診断を受けることが出来ました。
そこからは薬を服用し、ADHD専用の書籍を読むことでやらかしは大幅に激減。定型発達の人より少し多いかな?くらいに改善していきました。
おわりに
いかがでしたか?
こうして書き出してみると、大人になってから診断を受けた人間も急にADHDになったのではなく、特性はかなり早い段階から見られるのが分かります。
一方で、最初は強く出ていた特性が年齢や経験とともに落ち着いていくことも分かります。
現代は早い段階で検査を受け、療育によって適切な支援を受けられる時代です。
私がしてきたような「やらかし」が起きそうだったり、起きた時は専門家に相談して対策しましょう!