こんにちは、むのです。
この記事では、ADHD当事者が感じた在宅勤務のメリット・デメリットを書いていきます。
- 会社→自宅の環境の変化で障害特性がどうなるか心配
- 実際に始める前にどんな感じか様子が知りたい
以上のような、在宅勤務の情報収集中の人向けの記事となっています。
後半のデメリット紹介では、個人的におすすめする対処法もあわせて紹介しています。記事を読むことでスムーズな在宅勤務への移行をお手伝いできるかと思います。
ADHDが在宅勤務をするメリット5つ
1.遅刻しない
まず一番のメリットが遅刻しないことです。
コロナ流行以前は寝坊したり、家を出るのがギリギリになり遅刻することがしばしばありました。
在宅勤務なら5分前に起きても業務に間に合います。
それだと余計にADHDの特性が酷くなるのでは!?と思うところですが、定型発達の人も同じメリットを満喫しているようで、朝ご飯を食べながら会議に出てくる同僚もいます。
余裕を持って起きれた日は家事をしてから仕事を開始できるので、生活環境も良くなりました。
2.集中できる環境を作れる
在宅勤務だと自分が一番集中できる状態に環境を調整することができます。
会社に勤めていると、自分の希望だけではどうにもならないことが多いです。
冷暖房の温度や照明の明るさ、環境音などは気になっても勝手に変えることはできません。
私の場合は人の話し声が気になってしまうため、会社勤務の時はノイズキャンセラーのイヤホンを使ったり、耳栓をしていました。
在宅ではこれらのグッズはいらなくなり、ストレスフリーな状態で仕事ができています。
ちなみにおすすめの耳栓はこのMOLDEXシリーズ。価格も安く、使い心地がとても良いです。
いくつか種類が入っているお試しパックがあるので、自分に合うものを探してみてはいかがでしょうか。
3.体調管理がしやすい
在宅勤務になってからは、体調の悪い日は休憩をはさみながら働いたり、薬が効くまでの間離席させてもらうなどの対処を取らせてもらえています。
私は体が丈夫な方なのでフルタイム勤務が可能です。ただ、生理前後や天気がとても悪い日は体調を崩しがちでした。
会社勤務の時は、どうしても体調が悪い場合は早退をしたり休むことがありました。
無理は良くないですが、進めなければいけない、休めない仕事がある時に助かっています。
4.対人コミュニケーションの疲労が少ない
在宅勤務では会話はほとんどチャットなどの文章ベースになります。
会社では場の空気に気を遣ったり、話しながらメモを取るなど意識しなければいけないことが多くありました。
文章上では空気を読むなどありませんし、会話のログが残るため、必死にメモを取らなくて済み助かっています。
5.食事に困らない
昼の時間を自由に調節できるようになり、空腹になったタイミングで食事をとれるようになりました。
ADHDの治療薬コンサータを飲んでいる人は、副作用に空腹感がなくなるというものがあります。
会社勤務の時は昼休憩の時間が決まっているため、その時お腹が空いていなくても無理やり食べものを詰めこんでいました。
会社の周りにある飲食店の種類も限られており、体調に合わせた食事をとりづらかったです。
今はメニューや量をその日の体調に合わせて選択できるのでとても良いです。
感じたデメリット5つ
ADHDに向いていそうな在宅勤務ですが、思わぬデメリットもありました。以下にその内容と個人的な対処方法を紹介していきます。
1.時間管理が難しい
自分で調整できる自由な時間が増えた反面、管理が難しくなりました。
発達障害にある、過集中を止めるきっかけが減ったことが原因だと考えています。
会社勤務では、まず通勤で仕事とプライベートの切り替えが発生します。
仕事中も、部屋の移動や同僚との会話で集中を解く場面がありました。それらがなくなったことで、過集中のまま時間が過ぎてしまうということが起こっています。
行動や気持ちを素早く切り替え、メリハリをつけることも難しいと感じました。退勤後もダラダラと仕事データを触ってしまうなどの問題が発生中です。
時間管理の対処方法
私は現在、1日の時間割を作る方法をとっています。
小学校の時間割のような感じで、起床から就寝までの行動をざっとまとめたものを書き出して部屋に貼ります。
これを見ながら行動することで、一つのことをダラダラと続けずメリハリをつけることができます。
仕事においては、会社勤務の時よりも行動が把握されづらくなるため、あらかじめ上司や同僚にリマインドをお願いしておくこともおすすめです。
2.情報が極端に少ない
入ってくる情報が前より偏りがちになり、新鮮味に欠けてきたと感じます。
会社勤務の時は良くも悪くもまわりに情報が溢れていました。
デザイナーという仕事柄、通勤時に街中の広告や商品を眺めることでアイディアがうまれることがあります。同僚との雑談では、普段調べないような新しい知識に触れることができました。
これらがなくなると自主的にネットや書籍を眺めて情報を得るしかなくなります。
そうすると、好みの内容にばかり手が伸びてしまい、偏った情報が入ってくるようになります。
情報刺激を作る対処方法
週に2・3回、1時間程度の情報収集時間を作るようにしました。
この時間はSNSで話題になっている事、業界の最新情報、自分が気になっていたけど後回しにしていた情報を徹底的にリサーチします。
一つの情報から新しい情報に繋がることもあり、程よい刺激と知識を得ることができます。
3.コミュニケーション力が落ちる
1日話さないような日も出てくると、話し方を忘れたりリアクションが薄くなります。
身だしなみも適当になったりして、急に人と会うときに慌ててしまうことも。
発達障害の人は、苦手ではありますが、コミュニケーションをとり続けることで周りに馴染む調整を行っていると思います。
話し方や身振り手振りなどを模倣して、相手に合わせる調整ですね。
在宅勤務ではそれが難しくなるため、適度に感染防止を務めたうえで外出した方が良いなと感じました。
4.孤立感を覚える
一人気質なADHDですが、孤立感を覚えることが増えました。
孤独や寂しさとは異なり、自分だけ輪の外にいるのではないか?という焦りの感覚です。
会社ではその場にいるだけで所属感があり気にならなかったのですが…。
ちょうど在宅勤務中にチーム移動があり、新しく人間関係を作らなければならなかったのも原因かと思います。
会社にいればチームは変わってもフロアは同じなので、見知った人がいる安心感があります。在宅だとそれがありません。
これは、新入社員に対しても注意した方が良い点だと感じました。意図的にオンラインのコミュニケーションを増やし、情報を共有して不安感をケアしてあげる必要があります。
孤立感の対処方法
「能動的に行動する」今のところこれが一番大事な対処法だと感じています。
在宅勤務で危ないのは受け身でいることです。自分から動かない限り情報が入りにくいので、いつのまにか取り残されてしまうことも。
積極的にコミュニケーションを取り、自分から人や情報にアクセスすることが大切です。
会社内にそのような関係が無い人は、社外の勉強会などに参加するようにして、意見や感想などを発信し合える場を作ると良いです。
5.運動不足に陥る
この一年半でだいぶ体力が落ちたなという実感があります。
以前は仕事の後も趣味や家事に取り組めたのが、今はすぐベッドに横になるのが常になってしまっています。
通勤で歩くことが運動になっていましたが、それすらなくなり、外に出る機会も減りました。
体力の低下は行動力・メンタルの低下にもつながり、外に出るのがさらに億劫になるという悪循環にはまってしまう恐れがあります。
運動不足の対処方法
日常生活に簡単な運動を取り入れる方法がおすすめです。はじめは朝のゴミ出し程度でOK。
1日1度は部屋の外に出ること、外の空気を吸うことで気分転換もできます。
余裕があれば、始業前やお昼休みに10分程度家の近くを散歩することもおすすめです。日光を浴びることで自律神経が整い、時間感覚を取り戻せます。
また、仕事中も意識して体を動かす時間を取るようにします。
1時間仕事をしたら5分程度ストレッチするといったことだけでも、体がほぐれて血行が良くなります。
おわりに
以上がADHD当事者が感じた在宅勤務のメリット・デメリットでした。
最初は在宅勤務の新鮮さにメリットしか感じていませんでしたが、長期間になると見えてくるデメリットもありました。
今後もまだまだ家での仕事が続きそうなので、他のライフハックも順次紹介していこうと思います。
在宅勤務については、買って良かった便利なグッズの紹介記事も書いています。よかったら読んでみて下さい。