大人のADHDがコンサータを飲んでみた体験談【飲み続けた結果も】

こんにちは。大人のADHD、むのです。
この記事では、ADHDの治療薬「コンサータ」について、私の体験談と服用後の変化をまとめています。
ADHDと診断され、薬を飲み始めるときは、いろいろと気になりますよね。
- コンサータってどんな薬?
- どんな効果がある?
- 副作用は?それは辛い?
- 本当にADHDに効くの?
- 長く飲んでも大丈夫?
結論から言うと、医師に質問して説明を受けるのが一番安心です。
でも「説明だけじゃ信用できない」「他の人はどうなの?」と思うこともありますよね。

このブログでは、そんな疑問を持つ方に向けて、私の経験を共有しています
コンサータとは
「コンサータ」とはどんな薬?
コンサータは、一般名を「メチルフェニデート塩酸塩徐放錠」といいます。ADHD(注意欠陥・多動性障害)の治療薬のひとつです。
脳内のドーパミンやノルアドレナリンに作用し、注意力や衝動性を改善します。
18mg・27mg・36mgの3種類があり、患者の体格や年齢に合わせて、医師が量を調整します。
取り扱いは厳しく、登録された医師のみ処方が可能で、市販で買うことはできません。
また、患者側も登録が必要で、登録カードを見せなければ薬をもらうことが出来ません。
他の病気がある方や、一定の精神状態の方には処方されないこともあります。処方を希望する方は、必ず担当医と相談してください。
コンサータの薬価(2025年現在)
私が最初に処方されたのは18mgで、30日分が約2,000円でした。(保険適用時、1錠あたり236円ほど)
- 18mg:1錠 約235.8円
- 27mg:1錠 約261.9円
- 36mg:1錠 約275.1円
- (※2025年現在)
診察代や他の薬と合わせると、1回の通院で5000円ほどかかってしまうため、負担が大きかったです。
しかし、「自立支援医療」を受けることで自己負担額を減額することができます。
治療が始まったら早めに申請することをおすすめします。
コンサータの主な効果
コンサータは即効性があり、飲んだ当日から効果を感じられます。
服用から約1時間程度で効き始め、12時間ほど持続します。時間を過ぎるとゆるやかに効果は消えていきます。
主な効果は以下の通りです。
- 集中力が高まる
- やる気が出る
- 多動・衝動性が抑えられる
- 眠気が軽減される
脳内物質に直接作用するイメージの薬です。
主な副作用について
コンサータは副作用が強く出る場合もあります。
初めて飲む人は不安になるかもしれません。つらい場合は我慢せず、すぐに医師へ相談しましょう。
よくある副作用はこちらです。どの症状がどのくらいの強さで現れるかは人によります。
- 食欲減退
- 不眠
- 体重減少
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気・悪心(気持ち悪くなること)
- チック
- 発熱
太字にした副作用は多くの人が体感しやすい傾向があります。下に行くにつれて発症は少ないそうです。
「こんなに怖い作用があるの?!」と思う人がいるかもしれませんが、安心してください。
症状のほとんどは一時的か、軽度なものです。市販薬で対処できたり、飲み続けると出にくくなります。


実際、私はコンサータを飲んでも3食しっかり食べれて、夜もぐっすり眠れています
コンサータに関する様々な疑問
ネットには、コンサータに関する疑問がたくさんあります。
ここでは、私の実体験と医師からの説明を元にまとめます。
※服用予定の方は、必ず医師に相談してください。
飲み続けるとどうなる?
私はコンサータを4年間飲み続けています(記事作成時:2018〜2022年)。
最初より効果はやや落ちましたが、効かなくなることはありませんでした。
健康面については、長く飲む薬なので依存性や内臓の負担が心配ですよね。
コンサータ服用者は、年に1度の血液検査・心電図検査が義務づけられています。私の検査結果では、特に健康上の問題が見つかることはありませんでした。
依存性についても、薬がない時も特に生活には困らず、ADHDが出やすくなる程度で済んでいます。
途中でやめても大丈夫?
コンサータは1日単位で効果を発揮する薬です。途中で飲むのをやめても、他の精神薬のような離脱症状はありません。
医師と相談のうえ、飲まない日や期間をつくるなど、柔軟な調整ができます。


私は体調不良や生理の時など、飲まない日をつくっています
コンサータが効かないと感じるとき
効果を感じない場合、以下のような理由が考えられます。
- 飲み始めたばかり
- 飲み忘れている(ADHDだと意外と起こるんです…)
- 他の病気(うつなど)が影響している
- 薬の量が合っていない
- 体調が悪い
「飲んだ日から世界が変わる!」という体験談もありますが、人それぞれです。
効き目を確認したい方は、服薬前後の日々の行動の違いを比べてみましょう。
困りごとの原因がADHD以外であれば、コンサータの効果は薄いです。
やる気が出ない・疲れやすい・ひどく眠いといった症状が、実はうつ病や他の疾患由来である可能性も。
また、医師と相談のうえ、薬の量や併用で改善するケースもあります。


すぐに「効かない」と判断せず、医師と自分の体と対話しながら調整していくことが大切です
コンサータを飲んで起こった変化
ここからは、筆者である私自身の体験談をご紹介します。
まず結論から言うと、「めっちゃ効いた!」というのが正直な感想です。
ラッキーなことに、初回の処方量が体に合っていたようで、初日から効果を感じました。
ちなみに、当時の私の状態は以下のとおりです。
- 身長152cm
- 体重43kg
- デスクワーク中心で運動量は少なめ
- 抑うつ傾向があり、他の薬を数年服用中
- 他の持病はなし


個人の体格や生活習慣によって効果の出方は異なるそうなので、参考までに
私が感じた効果
効果の現れ方には個人差がありますが、私が感じた主な変化は以下の通りです。
- 気が散らなくなった
- 頭の中が静かになった
- 感情の起伏が穏やかになった
- 常にあった焦りや不安、緊張感がやわらいだ
- うっかりミスが減った
- やる気が出て行動が早くなった
- 昼間の眠気がなくなった


気が散らなくなった
私は「不注意優勢型」で、ちょっとした刺激で気がそれてしまいます。
たとえば調べ物の途中で別の話題に逸れたり、物音に気を取られたりします。作業と関係ない悩みや思いつきが頭に浮かんで来ては繰り返されたりします。
しかし薬を飲むと、気が散っても自然に無視できるようになりました。
頭の中が静かになった/うっかりミスが減った
ADHDは、頭の中が常にざわついている感覚があります。
コンサータを飲むと、そのざわざわがすっと消え、静かになります。
「寝起きの何も考えていない状態で、意識や感覚だけははっきりある」ような感じです。
頭が冴えて目の前のことに集中できるため、ミスも減りました。
感情の起伏が穏やかになった
以前はせっかちで、イライラが常にありました。
薬のおかげで無心に近い状態が保てるようになり、穏やかになりました。
マルチタスクでのパニックも落ち着いた印象です。
常にあった焦り、不安、緊張感がやわらいだ
毎日心がざわざわしていたのが、落ち着いた感覚になりました。
以前は緊張や不安を感じると、余計に不安感が強まり苦しくなるのですが、その連鎖が起きなくなります。
「不安感の少ない人の世界はこんなに生きやすいのか」と感動しました。
やる気が出て、行動が早くなった
「今やること」がすぐ思い出せて、迷わず着手できるようになりました。
頭の中にあった余計な焦りや不安が消えたからだと思います。
昼間の眠気がなくなった
以前は前日よく寝ても、会議中にどうしようもなく眠くなることがよくありました。
それが薬のおかげでなくなり、頭がクリアな感覚が続くようになりました。
コーヒーを飲んだときの興奮して目が覚める感じではなく、頭だけが冴えている感じです。
実際に体感した副作用
続いて、私が実際に感じた副作用について紹介します。
飲み始めから現在までに、以下のような症状が見られました。
- 胃のむかつき
- 食欲不振
- 下痢
- 頭痛
- 憂うつ感
- 焦燥感
- イライラ感
また、副作用が特に強く出たタイミングは以下の通りです。
- 飲み始めて3日ほどの間
- 寝不足や生理など、体調が悪い時
- 薬の血中濃度が高い時
- 薬の効果が切れる時間帯
副作用はどのくらいつらい?
●飲み始めの副作用が少しつらい
どの薬も、体が慣れるまでは副作用が出やすいものです。
個人差はあると思いますが、私は初日から2〜3日ほど、吐き気・頭痛・下痢などの症状がありました。
特に初日は、胃がムカムカして吐き気があり、頭もズキズキと痛みました。お腹もゆるく、トイレから出られない時間があったほどです。


初めて飲み始める時は休日前がおすすめ!
●体調が悪いときは副作用が強く出やすい
寝不足や生理前など、元々体調が悪いときは薬が効きすぎてしまいました。
せっかく良い効果がある薬なので、副作用で寝込むのはもったいないです。
生活リズムを整え、薬の効果を最大限活かせるようにしたいと思いました。
●飲み始めの副作用は1週間ほどで落ち着く
強い副作用は、飲み始めて1週間ほどでおさまりました。
現在は、薬がもっとも効いている時間帯と切れる時間帯に少し頭痛がある程度です。


副作用が辛い場合は市販薬を使ってもOKとのことです。担当の先生に聞いてみてください
実際ADHDに効果はあるか?
私の場合は、薬との相性が良かったようで効果を実感できました。
ただし、症状が完全になくなり、定型発達の人と全く同じになるわけではありません。
コンサータを飲むと、やる気が出て自分が変わったように感じます。「何かできそう」という感覚になりますが、能力が劇的に上がるわけではないのです。
薬はあくまで脳の機能をサポートするものだと考えています。
「生きやすくなる」ことが目的で、そこから自力で能力を高めていく姿勢が大切です。


飲み続けて4年間、現在までの経過
最後に、コンサータを飲み続けてきた4年間の経過をご紹介します。
- 服用1ヶ月目→ 改善がはっきり分かり、効果を強く感じました。
- 3ヶ月後→ 薬に徐々に慣れ、効果はあるが最初より弱く感じました。
- 半年後→ 3ヶ月後と同じ状態
- 1年後→ 効果は持続しており、依存性は感じませんでした。仕事のある日にのみ服用し、休日は飲まないという使い方にしました。(※担当医と相談のうえで実施)
- 4年後の現在→ 薬が切れる時間帯に憂うつ感やイライラが強く出るようになりました。そのため、安定剤を追加で処方してもらうようになりました。
集中力の向上など、効果は今でも安定して続いています。
一方で、不安感の再発やうっかりミスなど、薬では改善できない課題も見えてきました。
そういった部分は自分の性格や能力の課題と受け止め、現在も試行錯誤しながら、日々向き合っているところです。
以上が、コンサータを服用した私の体験談です。何か参考になる部分があれば嬉しく思います。


今後も新しい発見や気づきがあれば、追記していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
このブログでは、他にもADHDに関する記事を書いています。