ADHD

「自立支援医療」を利用してお財布の負担を軽くしよう

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こんにちは、むのです。

今回は「自立支援医療」という制度の紹介と、実際に利用している私の体験談を書いていきます。

以前こちらの記事で、ADHDの治療は結構お金がかかるということを書きました。

通院は毎月ですし、場合によっては生涯お付き合いすることになるため、その負担額はばかになりません。

  • どんな制度なのか
  • 利用するとどれくらい安くなるのか
  • 具体的な申請の方法
  • 制度の注意点

といったことをまとめていきます。

制度自体知らなかった方、利用を考えている方は読んでみて頂ければ幸いです。

 

自立支援医療とは?

精神疾患など、長期間の継続治療が必要な人の経済的な負担を軽くしよう、という目的で作られた制度です。

自立支援医療には

  • 精神通院医療(精神疾患の治療)
  • 更生医療(身体障害の治療など)
  • 育成医療(身体障害がある子どもの治療)

の3種類があります。

ADHDはこのうち「精神通院医療」に区分されます。

さらに詳細な対象者の条件は、精神科や心療内科などに入院せず、継続して通院している(診察に行って薬を貰っている、デイケアや訪問介護を受けている)方が対象です。

 

何がどのくらい安くなるの?

通常3割負担で支払っている治療費が、制度を利用すると1割負担になります。

さらに、この制度には世帯収入に応じて自己負担額の上限が設定されています

私のように1人暮らしで生計が立てられているような方は、基本1割負担になると思います。

生活保護を受けている方は0円、低所得の方は2500円までしか払わなくてよい、という場合もあります。

詳しい区分はお住まいの地域の役所サイトや、下記サイトなどにまとめられていますので一度ご確認ください。

 

制度を利用したある日の私の明細
自立医療支援00

これまでは3割負担で4000円ほどかかっていた薬代が、1320円まで減りました。

病院の診察代も1割負担となるため、合計金額が5000円→2000円程度まで減っています

むの
むの
3000円もお金が浮くのは本当にありがたいです!

 

申請から利用までの流れ

具体的な流れはこのような感じです。

  1. 主治医に自立支援医療を受けたいと相談する
  2. 市区町村の障害福祉課などの窓口に行き、申請書類を貰う
  3. 主治医に書類の必要な部分を記載してもらう
  4. マイナンバーカードなど必要な書類を用意する
  5. 役所に必要な書類を届け出る
  6. 申請後、2~3か月程度で通院している病院に証明書が届く
  7. 利用が開始できるようになる

まず主治医に相談する

自分の症状・通院状態が適用できるかどうかまず相談して確認します。

同じ発達障害の治療でも、制度が適用されない薬や治療の場合もあるためです。

相談時に上の流れを一通り説明してくれることもあるので、話しておくのが良いでしょう。

必要な書類をそろえる

申請に必要なものはお住いの市区町村によって異なりますので、窓口に書類を貰いに行く時に確認してください。

細々したものや、発行に手数料がかかる物もあり面倒ですが、後のメリットが大きいので頑張りましょう。

役所に申請する

申請書類をそろえたら役所に申請します。

書類の書き方で分からないところは事前に電話で問い合わせても良いですし、申請時に窓口で聞きながら記載することも場合によっては可能です。

書類不備をするよりも、直接聞いた方が安全かと思います。

私もわからないところは空欄のまま窓口に持って行き、その場で記載後受け取ってもらいました。

証明書が届くまで長くて3か月くらい

平均でこの程度期間がかかるそうです。

私が申請した時は年末だったこともあり、証明書が届いたのは翌年3月頃でした。

届く先は通院している医療機関で、届いていれば先生か受付の方が渡してくれます。

利用する際は必ず提示が必要

証明書は「自己負担上限額管理票」という小冊子になります。

都道府県によってはこの他に「受給者証」というものも届くそうなのですが、私は前者のみが届き、こちらで制度を利用しています。

使える場所は登録した医療機関と薬局のみになります。

診察券を出す時と、処方箋を出す時に一緒に渡します。

忘れてしまうと通常の負担額になりますので、ご注意ください。

大阪市の自己負担上限額管理票はこんな感じです
自立医療支援01

中を開くと月々利用した金額を記入する欄があり、医療機関と薬局の方が記載してくれます。

自立医療支援02

 

むの
むの
正直な感想、ぺらぺらな紙なので無くしそう

もっとお薬手帳のような存在感のあるものかと思っていたので・・・。これだとうっかりチラシゴミと一緒に捨ててしまいそうで怖いです。

不安な人はパスポートケースなどに収納することをおすすめします!

初回利用時、申請した時期に遡って今までの差額が払い戻しになる場合もあります。

私の場合は主治医の診断書の日付の日からの差額が戻ってきました。これは嬉しい意外な仕組みでした。

※主治医に相談した時は説明がもらえなかったのですが、後ほど役所からの電話で「いつから遡って適用しますか?」と確認をされました

 

自立支援医療の注意点

申請時に記載した「指定医療機関」でしか使えない

都道府県が定めた医療機関・薬局でしか利用することができません。

申請時にその「指定医療機関」から自分が使う場所を選ぶことになります。

頻繁に住所が変わる方や先々転居の予定がある人は、最寄りに指定医療機関がない場合もありますのでご注意ください。

1年ごとに更新が必要

更新を忘れると再発行まで元の負担額に戻ってしまいます。

うっかり忘れ、先延ばしの多いADHDは大変ですが、更新は忘れずに行いましょう。

障害者手帳のような割引サービスはない

まれに勘違いをしている方がいるようなのですが、この証明書を他の行政サービスや公共機関などで使うことは出来ません。

 

補足:勤め先に知られたりするの?

私が制度を利用する上で不安だったこと、それは申請することで会社にADHDであることが通知されるのでは?ということでした。※私はクローズで働いています

結論から言うとそれはありません。

あくまでも個人が治療に使うためだけの制度で、年末調整や保険に関する部分には影響はないです。

 

症状が軽い私でも利用できた。まず相談しよう

私のような軽い症状でも利用していいものなのか?

もっと困難な状態の人のためのものなのでは・・・と最初は考えて、申請をためらっていました。

しかし、今現在困っていて通院しているのだから、申請する権利はあります

もし迷っている方がいたら相談するくらいはしてみてはいかがでしょうか?

ADHDは完治する病気とは違い、長く付き合っていく症状です。使える制度は積極的に利用して、少しでも生きやすくしていきましょう。