こんにちは、むのです。
今回は、初診から数年経った大人のADHDに関して近況を書いていきたいと思います。
アラサーでADHDの診断を受け、早8年が経ちました。
最初に薬を飲んだのがつい先日のようで、こんなに月日が過ぎていた実感が薄いです。
この間に会社員を辞めフリーランスに転向したり、二次障害の症状が増えたり減ったりといった変化がありましたが、8年間自分のことを観察できたことは驚きです。
ブログの更新頻度は低いですが…。
この記事が同年代のADHDさんや、大人の発達障害の経過に興味がある方の参考になれば幸いです。
ADHDに関して変化したこと
- ADHD治療薬による健康被害はない
- 投薬治療と環境の変化で二次障害は落ち着いた
- ADHD特性が消えたり、弱くなることはなかった
- 先延ばし癖やうっかりミスなどは変わらず
- 薬を飲んだ状態にやや依存傾向が出ている
治療薬による健康被害は出なかった
ADHDの投薬治療を始めて少し心配だったのが、強い薬を飲み続けて大丈夫なのか…ということでした。
この8年間に心配していた重大な副作用はなく、健康診断も異常なしで過ごしています。
二次障害の症状が落ち着いた
会社員時代にあった強い不安感・焦燥感といった二次障害ですが、色々な薬の組み合わせ、認知行動療法、環境の変化でかなり落ち着いたと感じます。
特に大きいのが不安感が減ったこと。
これに一番効いたのは仕事を変えたことです。
常に締め切りと細かい確認作業に追われ、毎日うっかりミスに怯えながら仕事をしていた環境から開放されたことで改善されたのだと思います。
ADHD特性が消える・弱まることはなかった
ADHDの特性による困りごとは相変わらずです。
「病気ではないので完治することはない」という認識はあるものの、年齢とともに成長しないかな〜と期待していた部分はやや裏切られた感じ。
フリーランスになったこと、完全在宅勤務をしていることで問題にならなくなった特性もありますが、確認ミスや先延ばし癖などニガテな部分は変わらずあります。
薬の効き目は弱くなり、やや依存を感じる
飲み始めた時は世界が変わったように感じたコンサータも、すっかり身体が慣れてしまったのか強い効き目は感じなくなりました。
効果自体はあり、飲んだ日はキビキビと動けるのですが、以前のような強い集中感はなくなったように思います。
効果時間も短くなってきたような気が…。
逆に飲まない日にまったく動けなくなったため、以前設けていた休薬日をやめて連続で飲むなど軽い依存を感じています。
現在受けている治療
病院では投薬治療のみ
現在、ADHDに関して受けている治療は「投薬治療」のみです。
最初の数年は二次障害が強かったため、「認知行動療法」「カウンセリング」を併用したりやめたり、その時の状態に合わせて行っていました。
自主的にしている補助
心療内科で薬をもらう他に、自主的に以下のようなことも行っています。
- サプリメントを飲む(ADHDに足りないホルモンを補完)
- ウォーキングなどの軽い運動をする
- ADHDや脳科学に関する本を読む
- 上記のような情報をネットで調べる
運動をする
運動は脳の動きを活発にする効果があるということで始めました。ADHDの症状に効く研究結果もたくさん出ており、実際そわそわ感が収まる、スッキリするなど効果はあるようです。
サプリメントを飲む
サプリメントは単純に健康維持に良いですし、プラシーボ効果かもしれませんが飲んでいる間は調子が良いように感じます。
●精神安定に必要なセロトニンの原料となるのがトリプトファンです。
現在飲んでいる薬の紹介
- ★コンサータ18mg
- ★▼インチュニブ1mg✕2錠
- スルピリド50mg✕3錠
- ▼ロゼパラム0.5mg✕2錠
- ▼ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)✕3袋
- デエビゴ5mg(睡眠薬・適宜)
- 頭痛薬(市販のEVEなど)
現在は1日にこの6種類を飲んでいます。
★印のものがADHDの治療薬、▼印はADHD治療薬の副作用をカバーするために飲んでいるものです。
※薬の量は効果があった時の容量で、患者の体重に比例して処方される場合もあり個人差があります。
薬ごとの効果と使用目的
コンサータ: ADHDの多動や不注意の改善。
インチュニブ: ADHDの多動の改善・コンサータで発生するイライラ感を緩和するために併用。
スルピリド: 二次障害の不安感の軽減。
ロゼパラム: コンサータの切れる時間に起きるうつ的症状を緩和するために併用。
ツムラ加味逍遙散エキス顆粒: コンサータで発生するイライラ感を緩和するほか、生理前後のPMS改善のために併用。
デエビゴ: 夜更かしで睡眠リズムがズレた時に使用。
頭痛薬: コンサータの副作用の頭痛に使用。
このように複数の薬の効果を組み合わせて症状をコントロールしている状態です。
発達障害さんは複数の薬を飲むのが普通
風邪のように一種類だけ飲んですぐ全快!とは行かないのが発達障害。
飲み合わせや継続して飲み続ける習慣によって改善が見込まれます。
病院では、先生が患者の症状をヒアリングし、適切な薬を組み合わせてくれます。何か辛い症状があったら我慢せずに相談してみてください。
大人のADHDが歳と共に直面すること
大人のADHD当事者には、症状の変化の他にも重大な変化が起きて来ます。それは「老化」です。
自分の老化はもちろんですが、家族や親類の老化によるイベントが周りで起こり始めます。
身体の老化
私は33歳あたりから体力の衰えを感じるようになりました。
ADHDの多動や過集中に身体の方、体力がついて行かないのです。
長時間集中して取り組んだり、1日フル活動した後は2日ほどの回復期間が必要になってしまいました。
体力の衰えは行動力の低下にも繋がります。
ただでさえADHDで行動が遅れがちなところ、終わらないタスクが積み上がるようになりました。これには閉口しています。
今、体力と行動力で障害をカバーしている方は、老化によってそれが出来なくなっていくことを考えておくのが良いかもしれません。
脳の老化
発達障害のない方でも、30代中盤に差し掛かってくると脳機能が衰え始める人が出てきます。
私は衰えを感じる方になってしまいました….。
おそらく、元々ADHDで前頭葉の機能が弱いところに、在宅勤務の単調な生活が加わったことで意欲や気力がまったく湧かなくなってしまったのです。
さらに恐ろしいことに、加齢で前頭葉の動きが弱まるとADHD特性が強まるという研究もでています。
今はこの状態を脱するために担当医に相談したり、本で調べたりしています。解決方法が見つかったらブログに書きたいです。
世間・環境の変化
この8年間で戦争が発生したり、自然災害が起きたり、世の中がとても不安定になったなと感じます。
特に心配なのは日本の税金に関する動きです。
毎年の増税は直接生活に関わって来ますし、今の生活レベルをどこまで維持できるか不安を覚えます。
利用している障害関係の制度がある日突然なくなるかもしれない。
自分の生活が苦しくなった時のセーフティーネットが、将来的には使えなくなっている可能性もあります。
親族やペットの介護・看取り
この年代になると自分以外のお世話イベントが強制的に発生する場合があります。
まず親の介護は確実。その前に飼っているペットがいれば、早いうちに介護や看取りが来るでしょう。両方が被る可能性もあります。
自分一人でも手一杯なADHDが対応するためには、事前の下調べや準備が大事だと感じます。
※この本は死に方の解説や自死を推薦するものではありません※
独身の著者が老後安全・安心に暮らすための方法や、自分が死んだ時・死後に必要な手続きを調べてまとめた本です。
現在独身の若い人にも、先を見据えて備えるための役立つ情報が沢山!おすすめの一冊です。
おわりに
現状はこんな感じです。
ADHDと共存して30数年、未だに苦しい面も多いですが、時間が経つにつれ対策と達観を覚えたなと感じました。
もしも診断されたばかりの方や若い年齢の方が見ていたら、大きな変化はないけど対処方法は増やしていけるよと伝えたいです。