こんにちは。大人のアラサーADHD、むのです。
この記事では、ADHDの治療薬「コンサータ」について、飲んでみた体験談と飲み続けた結果についてお話したいと思います。
ADHDの診断がおりて、薬で治療をはじめようとなった時
- コンサータってどんな薬?
- どんな効果があるの?
- 副作用はある?それは辛い?
- 本当にADHDに効く?
- 飲み続けても平気なの?
といったことが気になると思います。
結論から言うと、担当の医師に質問して説明を受けるのが一番良いのですが、説明だけじゃわからない。他の人は実際どうなの?と思いますよね。
コンサータとは
「コンサータ」はどんな薬?
一般名を「メチルフェニデート塩酸塩徐放錠」という、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の治療薬の一つです。
脳内の神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン)を増加させ正しく働くように助ける薬で、主に注意力散漫や衝動性を改善します。
種類は3種類。18mg・27mg・36mgがあり、患者の年齢や体重に合わせて何錠飲むか、最大何mgまで飲むかを医師が決めます。
効き目が強いため取り扱いが厳しく、登録医しか処方ができず市販で買うことはできません。
また、現在は患者側も登録が必要で、登録カードを見せなければ薬をもらうことが出来ません。
他にも、飲み合わせの悪い病気を持っていたり、特定の精神状態にある人には出してもらえないことがあります。
これに関しては医師としっかり相談することが必要です。
1ヶ月の薬の値段
私の飲んでいるコンサータは18mgで、30日分で約3千円(保険適用)。1錠344円します。
27mgは1錠あたり381円、36mgは410円となります。
診察代と合わせると1回の通院で5000円ほどかかってしまうため、負担が大きかったです…。
しかし、「自立支援医療」を受けることで自己負担額を減額してもらうことができます。治療が始まったら申請することをオススメします。
主な効果
コンサータは飲んだその日から効果が出る、即効性のある薬です。
服用後1〜2時間くらいで効き始め、その後12時間ほど効果が持続します。時間を過ぎるとゆるやかに効果は消えていきます。
主な効果は次のようなものです。
- 集中力を高める
- やる気を高める
- 多動・衝動性を抑える
- 眠気を抑える
ドーパミン・ノルアドレナリンは集中力を高める脳内物質です。そこにダイレクトに効く感じですね。
主な副作用
コンサータは副作用もそれなりに強い薬です。
初めて飲む人は不安になってしまうかもしれません。もし辛いようでしたら我慢せず医師に相談してください。
主な副作用は次のようなものです。人によってどれが強く出るかはマチマチのようです。
- 食欲減退
- 不眠症
- 体重減少
- 頭痛
- 腹痛
- 悪心(気持ち悪くなること)
- チック
- 発熱
太字の副作用は多くの人が体感しています。下にいくにつれて発症は少ないです。
こんなに怖い作用があるの?!と思う人がいるかもしれませんが、一時的だったり、市販薬で対応できたり、飲み続けると出にくくなる作用もあるので安心してください。
その他の疑問
ネットで検索をしてみると、他にもコンサータを飲むことに関する疑問がたくさん出てきました。以下に、私の実体験と、先生に聞いた範囲でまとめたいとおもいます。
※実際に処方予定の人は、まず担当の医師に相談してみてくださいね。
飲み続けるとどうなるの?
現在飲み始めて約4年です(2018〜2022年)
効果については飲み続けると耐性ができるのか、最初ほど強い効き目は感じられなくなりました。しかし効果がなくなるということはないです。
健康面については、長く飲む薬なので依存性や内臓の負担が心配ですよね。
コンサータを処方される人は1年に1回血液検査をすることが決められています。そこで検査したところ、私の内臓は特に問題ないようでした。
依存性についても、薬がない時はADHDがぶり返す以外特に困りごとはありません。人によってはこれがないと不安…!となってしまうのかもしれませんね。
途中でやめても大丈夫?
コンサータはその日1日だけ効く薬です。
途中で飲むのをやめても、他の精神薬のような強い離脱症状はないと説明を受けました。
医師と相談のうえ、「こういう時は飲まない」「週に1回休薬日をつくる」など柔軟に対応できます。
ただ、長期間飲んでいると薬が効いている状態を「普通」と感じるため、違和感があったり、元のADHD症状が出てしまうことがあります。
コンサータが効かない
効き目を感じられない時はいくつかの原因が考えられます。
- 飲み始めて間もない
- 飲むのを忘れている(ADHDだと意外と起こるんです…)
- 別の病気が原因で薬が効かない(うつ+ADHDなど)
- 薬の量が合っていない
- 体調が悪い
飲んで1日目から世界が変わる!といった体験談をたまに見ますが、人によると思います。
飲み始めて間もない人は、飲んでいない日←→飲んだ日で同じ行動をしてみて、困りごとがどのくらい減ったかで効き目を判断すると分かりやすいです。
困りごとの原因がADHD以外だった場合はコンサータは効かないです。
やる気が出ない、疲れやすい、ひどく眠いといった症状が実はうつ病由来だったなど…。コンサータも万能薬ではないのです。
薬の量が合っていない人もいます。医師と相談して、mgの調整や他の薬と併用することで改善していくことができます。
飲んでみて起こった変化
ここからは私の服用体験談を書いていきたいと思います。
まず結果からいうとめっちゃ効いた!です。
ラッキーなことに私は初回の分量で相性が良かったようで、飲んだ1日目から効果を感じることができました。
飲み始めた時の私の状態はこちらになります。
- 身長152cm
- 体重43kg
- デスクワーク職。運動量は最低
- 抑うつの症状があり、別の薬を数年間飲んでいた
- その他の持病はなし
個人の体調や体格でも効果が変わるそうなので、参考までに。
効き目を感じたこと
まずは私が感じた効き目をお話しします。
効果の出方は人によるので、今読んでいる人が同じ状態になるかはわかりません。その点は頭にお留め置きください。
- 気が散らなくなった
- 頭の中が静かになる
- 感情の起伏が穏やかになる
- 常にあった焦り・不安・緊張感がやわらいだ
- うっかりミスが減った
- やる気が出て行動が早くなった
- 昼間の眠気がなくなった
●気が散らなくなった
不注意優勢型の私はちょっとした事で興味が移ります。
調べ物の途中で別の内容に目を引かれたり、声や音がした方を見てしまったり。作業と関係ない悩みや思いつきが頭に浮かんで来ては繰り返されたりします。
薬を飲むと、気が散る事があっても自然に無視できるようになりました。
●頭の中が静かになる/うっかりミスが減った
ADHDは常に頭が色々なことを考えてしまいます。
薬を飲むとそのごちゃごちゃが空になり、落ち着く感覚になります。寝起きの何も考えていない状態で、意識や感覚だけははっきりあるような感じです。
目の前のことに集中できるようになるため、ミスも減りました。
●感情の起伏が穏やかになる
せっかちで、常にイライラを感じていたことに対して無心でいられるようになりました。
おそらくマルチタスクから来るパニックが治まったのだと思います。
●常にあった焦り、不安、緊張感がやわらいだ
毎日ざわざわとしていた心が落ち着く感覚になりました。余分な緊張も解くことが出来ます。
普段は緊張や不安を感じると、余計に不安感が強まり苦しくなったりするのですが、その連鎖が起きなくなります。
不安感の少ない人の世界はこんなに生きやすいのかと感動しました。
●やる気が出て行動が早くなった
今やることをすぐに思い出し、着手できるようになりました。
無駄な焦りや不安で頭の力を使っていたのがなくなったためだと思います。
●昼間の眠気がなくなった
前日しっかり寝ても、どうしようもない眠気に襲われて会議中にうとうと…ということが無くなりました。
コーヒーを飲んだときのような興奮して目が覚める感じではなく、頭だけがクリアな感じです。
実際に起きた副作用
次に私が体感した副作用についてお話しします。
飲み始め〜現在までに体感した症状は以下のようなものです。
- 胃のむかつき
- 食欲不振
- 下痢
- 頭痛
- 憂うつ感
- 焦燥感
また、副作用が特に強く出たタイミングはこちらになります。
- 飲み始めて3日位の間
- 寝不足・生理など体調が悪い時
- 薬の血中濃度が高い時
- 薬が切れる時間
副作用はどのくらい辛いのか?
●飲み始めの副作用がちょっとつらい
どの薬も体が慣れるまでしばらく副作用が辛いと思います。
個人差はあると思いますが、私の場合は2、3日程度、吐き気・頭痛・お腹がゆるくなる症状が出ました。
特に初日。胃がムカムカして吐きたいけど吐くものはない感じや、頭がズキズキと重く痛みました。お腹もゆるくなり、トイレから出られない時間帯がありました。
この日は会社に行きましたが、流石に座って作業ができず…。途中で早退しました。
●体調が悪い時は副作用が強く出やすい
寝不足の日や生理前など、元々不調になる時は薬の効果が強く出過ぎるようです。
せっかく良い効果のある薬なので、副作用でぐったりしてしまうのはもったいないです。生活リズムはしっかり整え、効果を最大限に使えるようにしようと思いました。
●飲み初めの副作用は1週間くらいでおさまりました
飲み始めの強い副作用は1週間ほどでおさまりました。飲み続けている現在は薬が切れる時と、薬が一番効いているときに頭痛がある程度です。
実際ADHDに効果はあるか?
私は薬の相性が良かったため効果を感じられました。
しかし、症状が完全に消え、定形発達の人と全く同じようになれるというわけではありませんでした。
コンサータを飲むとやる気が出て、自分が変わった・何か達成できる気になりますが、基礎能力が大きく上がっているわけではありません。
薬で脳の機能をサポートし、生きやすくなったところで能力を底上げしていくのが正しい薬との付き合い方だと考えています。
飲み続けて4年、現在までの様子
最後に、飲み続けて4年間の経過を書いていきたいと思います。
- 服用開始から1ヶ月→ 改善が目に見えて分かる。効果を強く感じる。
- 3ヶ月後→ 徐々に薬に慣れてくる。効果は出ているものの弱く感じる。
- 半年後→ 3ヶ月後と同じ状態。
- 1年後→ 効果は続いている。依存性はなし。仕事のある日は飲み、土日はお休みするという飲み方をしている(※担当医と相談の上)
- 4年後の現在→ 薬が切れる時の不安感が強くなったため、追加で安定剤をもらうようになった。
集中力アップなど安定して効果が出続けている一方、不安感の復活やミスなど、薬ではどうにも対応できない部分も見えてきました。
そこは自分自身の性格や能力不足と考え、対応策を試行錯誤しているところです。
以上がコンサータを飲んだ体験談になります。参考になるところはありましたでしょうか?